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2011 年12 月10 日

葉山町ごみ処理計画離脱訴訟地裁判決

9日付日経夕刊に「葉山町に賠償命令 ごみ処理計画離脱で地裁」との見出しの記事が載っていた。
2市1町で進めていたごみ処理広域化計画から葉山町が離脱したことで計画の見直しを迫られたという理由で横須賀市、三浦市が葉山町に対して約1億4700万円の損害賠償請求訴訟を提起していたのに対し、横浜地裁は葉山町に395万円の支払を命じたという。

記事によると、町長交代で一方的に離脱したのは合意に基づく義務や信義則上の義務に違反したと評されてもやむを得ないというのが理由だ。

葉山町長のウェブでみると、離脱の理由は、大型焼却炉を整備して連続運転するのはごみ処理減量化政策に反する、20年の長期計画は新方式への転換の可能性を閉ざすという政策的問題点の他に、葉山町が分担する不燃ごみ選別施設の立地が確保できないし、周辺住民の理解を得られないし、建設費・維持管理費の負担割合も未定であったという広域化計画策定過程の問題点が指摘されていた。

これらの問題点が2市1町の計画・合意の法的瑕疵を構成するとは思われないが、この計画・合意はそれこそ将来的なごみ処理「計画」にすぎず、その離脱・違反が損害賠償法上の違法を構成するとは思えない。

新聞記事から見る限り、横浜地裁は沖縄企業誘致事件最高裁判決の枠組みに基づいたものと思われるが、同事件は、事業者が町の誘致に沿って工場建設用地を確保し建築確認もとり施設設置の契約もしたという事案であって、事業者の損害を補償すべき事情があったのに対し、葉山町の事案は、行政主体間の計画であって、損害賠償法理になじむのか疑問がある。

結局、1億4700万円の請求に対し395万円の支払というのは、横須賀市、三浦市のメンツをつぶすわけにはいかないという名目上の勝訴判決であって、実質、葉山町の主張を認めたものというべきではなかろうか。

投稿者:ゆかわat 09 :35| ビジネス | コメント(0 )

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